川柳人協会

川柳文化祭誌上大会(令和5年11月)
『交流』   竹田 光柳選
カルチャーへ通い仲間の輪ができる岩瀬 元介
他国にも出来たアニメのファンクラブ林  俊雄
世界中スマホひとつで繋がるよ石  卜伝
教皇も世界の友と手を繋ぐ白子しげる
異文化の厚い交流呼ぶ平和丸山 孔平
芸術の自由政治を越えてくる府金 節子
外交を深めて平和導かれ三井花すみ
異文化に触れて大きくなる未来山路 良枝

『冴える』   青鹿 一秋選
伝説の名器少女の弓が冴え栃原 輝昭
塹壕の兵士五感を研ぎ澄ます青柳 貞夫
神の手といわれたメスが冴えわたる谷口 修平
幽玄の舞台が冴えるシテの舞い高木みち子
バチ音の余韻が冴える風の盆荒井眞理子
朧でも冴えてもふたり遠回り植竹 団扇
盲目の父の指先冴えわたり石川 照夫
会ってきた日照りが夜を長くする芦田 鈴美

『従う』   勢藤  潤選
お静かにここは帝国ホテルです濱邉稲佐岳
賛成の挙手ポケットに本音秘め稲沢ひろせ
言いなりのマリオネットになる欺瞞新井千恵子
ホイホイとついて来たのは回遊魚加藤友三郎
風向きに従う凧はよく上がる白取ひでお
歳時記へ花の一途は狂わない佐瀬 貴子
判断はいつもコインの裏表江崎 紫峰
正論の美学に酔ってついて行く森  峰義

『姿』   花道 歌子選
名工の後ろ姿に鍛えられ黒崎 和夫
髪を寄付したと微笑むショートヘア織田 順子
若者の一途ほれ込みファンディング奥村 古風
ウイルスの姿が見えず病む地球林  博之
温暖化地球が姿変えてゆく蔵田 正章
逆境の父の姿も見せておく梶  泰榮
絶頂期後ろ姿に隙がある府金 節子
百態の富士に挑んでまだ描けず五十嵐淳隆

『センス』   加藤 ゆみ子選
ブランドは要らぬ若さというセンス鈴木 正義
説法にジョークも入れて飽きもせず木俣 邦捷
背景にセンスを見せるテレワーク斉藤 光雄
シンプルな服に真珠が生きている後藤 洋子
山道のおしゃれなポップみかん狩り大澤  葵
マスターの戦局がいいジャズ喫茶上村  脩
少年のセンス翼を輝かせ高木みち子
命名に世界を泳ぐ夢託す近藤 君江

『備える』   齊藤 由紀子選
さよならのための笑顔を整える山口 早苗
九条が迷彩服を纏いだす白子しげる
シェルターもいかが建売り分譲地織田 順子
反論の準備拳が息を詰め新井千恵子
八十路行く五体へ詰める骨密度渡辺  梢
常備薬増えて老後が加速する本多 雅子
有事への備え昭和を蒸し返す府金 節子
呉越同舟真っ新な脳でいる青柳 貞夫

『助ける』   堀江 加代選
欠点を個性に変える芸達者山館 函美
老い二人同じ歩幅で暮らしてる水野 俊徳
苦労して掛けた保険が命綱林  博之
被災地がお互い様で強く生き栃原 輝昭
軸足を変えず浮き輪を投げてやる荻原 鹿声
レスキューが天使に見える火事現場洲戸行々子
助っ人を待てばロボットやって来る織田 順子
匿名のドナーベッドが嬉し泣き奥村 古風

協会秀句

令和6年の秀句


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