川柳人協会

川柳文化祭1部(平成28年11月)
『沈黙』   守屋不二夫選
だんまりで凡夫見下ろす仏さま權守いくを
職人の寡黙は胸に語らせる渋川 渓舟
沈黙を破って明かす時の秘話白子しげる
一筆を添えて社を去る機密保持生井 芳夫
黙秘権うまく使って丸く居る加藤ゆみ子
自信ある鬼が黙って腕を組み二宮 茂男
真実は言えぬ白紙の領収書江畑 哲男
序列から抜け沈黙の封を切る上村  脩

               
『告げる』   佐藤 美文選
真相は時効になって囁かれ渋川 渓舟
カスミ草愛の告白聞いている大戸 和興
別れましょ貧乏神に言いました永井 静佳
芋蔓を伝い内緒がアノネノネ白鳥 象堂
忠告はのど飴舐めてからにする白鳥 象堂
雑巾が乾いて別れ告げられる篠﨑 紀子
リストラを乾いた声が告げにくる白子しげる
全快を告げる千羽の鶴が舞う栗原 洋子

『出番』   齊藤由紀子選
割烹着嫁のやる気を助演する上野さざ音
光るのは汗か涙か父の謝辞二宮 茂男
痴話喧嘩いしやきいも屋来て終わる織田 和子
スーダンの出番に仙人針贈る増田 幸一
アメリカの選挙へ出囃子が軋む阿部  勲
さあ行くか俺の両手はゴミ袋杉山 太郎
喪が明けて封印解けるピンヒール加藤ゆみ子
少子化が元気な老いを募集する阿部  勲

『尖る』   竹田 光柳選
九条をかざすと尖りだす保革新谷みのり
改革へ急所突く語を磨いてる長瀬 熙実
責任がないから吠える評論家府金 節子
告発のペンが政治の恥部を衝く白子しげる
ペン先の火が鋭角に切るコラム時枝 利幸
反骨のペン不条理を切り刻む宮内みの里
津波跡心の棘がまだ抜けぬ織田 順子
舌鋒の鋭さ信念が滲む北川キミ代

『懐かしい』   金子美知子選
鮭缶を手繰ると御馳走の昭和中島 和子
山村の旅で母似の頬被り関  玉枝
ひたすらに日焼け競った夏休み津田 健而
抽き出しで錆びてた父の肥後守和泉あかり
赤とんぼ幼時の空を連れて来る阿部  勲
ああ故郷変らぬ道の曲りよう安藤 紀楽
寝たきりが歌う昭和の数え歌伊藤三十六
アルバムのもんぺ姿に泣く笑う織田 和子

『入念』   江畑 哲男選
無駄になることが何よりです備蓄栗原 洋子
加齢臭とは言わせない長い風呂花井ようこ
完璧をNASAに納める町工場橋本 勝三
入魂の作に誇りを貼り付ける北山 蕗子
歴史的舞台へ繋ぐ事務レベル離らっくす
たかが散歩に名札まで持たされる加藤ゆみ子
補聴器を買ってケンカをしています福士 哲夫
懐に百面相を温める尾河ふみ子

『ぬるい』   津田  暹選
パワハラと言われないようネコになる竹中 有男
制裁のムチミサイルに届かない阿部  勲
保護色で育って歌を作らない北山 蕗子
体罰のない教室にあるいじめ江畑 哲男
再稼働絶対ダメと描いてない山口 早苗
老介護鈍感力で切り抜ける江崎 紫峰
プレゼンの熱気が冷めてきた五輪五十嵐淳隆
リストラに人情論が絡み付く福士 哲夫

『念願』   及川 竜太郎選
予定日へ五体満足願うのみ米川あいこ
念願は病まず呆けずに頼らずに金木ヨシ子
お迎えは歳の順にと願う鈴渡辺  梢
次世代へ残したくない負の遺産峰岸 照海
苦しんだ不妊治療で親になる小林 洋子
来年の桜見せたい末期がん織田 順子
究極の願望にある不老不死江畑 哲男
氷河期を耐え天職に辿り着く上村  脩

協会秀句

平成31年度~令和元年の秀句


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