川柳人協会

川柳文化祭1部(平成29年11月)
『のろのろ』   阿部  勲選
よいしょからどっこいしょへと進化する伊藤 良江
大臣の名刺が溜まる拉致家族平野さちを
美術館ゆっくり時間止めている山口 早苗
信長がいればと思う改憲派安藤 紀楽
風景にゆっくり溶ける一人旅近江あきら
正論を吐いて出世は七曲り白鳥 象堂
高速は便秘故郷へ這っている齊藤由紀子
市松のマークが焦れる千日手三上 武彦

『波紋』   平蔵  柊選
生きてゆく自信波紋を意識せず西潟賢一郎
潮流を捲き込む十代の将棋北川キミ代
本音ポロリ落ちた動画が歩き出し大竹  洋
西洋へ波紋投じた北斎画北川キミ代
落葉の波紋湖面を画布にする川田佳主子
一石を投ずる側にある覚悟髙松 孝子
手応えはじわりじわりと波に化け梶野 正二
ごみ拾い小さな輪から輪が育つ五十嵐淳隆

『人任せ』   上村  脩選
ヨイショする神輿で四次元に遊ぶ大竹  洋
百人が百を許せる委任状梶野 正二
変革を嫌い大樹の陰にいる安西 建次
偏差値の修正液が塾に浮き篠田 東星
終章へ人に任せる衣食住篠﨑 紀子
過保護の子母の指人形になる大野 征子
自意識もなく温室の花でいる西潟賢一郎
保護色を纏って群れの中にいる木崎 栄昇

『普通』   渡辺  梢選
自分では変わり者とは思わない上原  稔
アイライン引かない日には猫も寄り稲沢 和枝
違和感もなくロボットに介護され津田  暹
人並みという線引きのプレッシャー上野さざ音
追っかけもするが普通に主婦もする上原  稔
ノーマルと言わせてしまうポピュリズム岩田 康子
パン二枚焼けて地球の動き出し藤ノ木辰三郎
あの人の普通についていけません佐藤 孔亮

『平気』   島田 駱舟選
選挙戦勝って謙虚を羅列する府金 節子
国会の蟻踏まれても生き延びる篠﨑 紀子
嘘も方便蛙の面を撫でている齊藤由紀子
平熱を一面記事に鍛えられ佐藤 孔亮
ボクシング無残な顔で笑ってる中島 和子
答弁の野次へピントは合わせない小野 弘楽
昇進の椅子雑音を鼻で聞く佐藤 晴江
印籠に想定外と書けばいい大竹  洋

『ほのぼの』   荻原美和子選
穴あきの靴下が居て座がなごむ加藤ゆみ子
善行を地方紙トップ記事に据え平野さちを
四コマの漫画でなごむ社会面白子しげる
世辞抜きの方言胸の棘を抜き小田 春菜
車椅子押す背を温い風が抜け大野 征子
陽だまりの椅子であなたと添いとげる篠﨑 紀子
おさな児の詩からアートが描かれる五十嵐淳隆
繋ぐ手は愛お互いを杖とする齊藤由紀子

『丸呑み』   田中寿々夢選
改憲の丸呑み平和遠くなる小野 弘楽
太陽をペロリと呑んだミニトマト二宮 茂男
一強の以下同文に風がない山口 早苗
狂信の恐さ命を紙にする齊藤由紀子
中傷は胸に納めて動じない中西 隆雄
若き波呑んで渋谷の二十五時佐藤 晴江
清濁を闇汁にする男酒大竹  洋
飽食の舌が堕落を舐めている駒木 香苑

『身軽』   渋川 渓舟選
自立するマリオネットが糸を切る篠田 東星
独り身の気楽さめない夢を追う齊藤由紀子
欲一つ捨てると飛べる水たまり福井  勲
褒められて身軽便利に使われる守屋不二夫
清貧に哲学がある無位無冠小倉 利江
捨てる物捨てて寝転ぶ青畳福士 哲夫
残り火が消えて身軽な風の私語篠﨑 紀子
風の唄聞いて気ままな一人旅近江あきら

協会秀句

平成31年度~令和元年の秀句


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