川柳忌(平成30年9月)
『鮮やか』 尾藤 川柳選 | ||
|---|---|---|
![]() | 親指であっという間に詫びの文 | 橋本 勝三 |
![]() | 片刃でも絶賛される二刀流 | 津田 暹 |
![]() | なぜだろう記憶に新しい昔 | 毛利 由美 |
![]() | 主のない庭踊らせる花の舞い | 藤 あかね |
![]() | シャガールの青空駄馬も憧れる | 小倉 利江 |
![]() | 二人からまた独りへくっきりと時代 | たむらあきこ |
![]() | 暗転の鮮やかそれからの独り | たむらあきこ |
![]() | 喝采の日の続きにあざやかな句点 | たむらあきこ |
『突然』 白子しげる選 | ||
|---|---|---|
![]() | 運命の道迷わせていく惨事 | 藤 あかね |
![]() | いきなりの辞表に揺れる会議室 | 石川 川柳 |
![]() | アドリブが受けて生まれたニュースター | 竹田 光柳 |
![]() | 歌姫の幕引き笑顔忘れない | 大矢 和子 |
![]() | 死神が来る予告編など告げず | 西潟賢一郎 |
![]() | 惨劇は突然普通の日が消える | 山口由利子 |
![]() | 反抗期徐行もせずに切るカーブ | 栗林むつみ |
![]() | 急襲の刃へ予知もせぬ職務 | 及川竜太郎 |
『出会う』 金子美知子選 | ||
|---|---|---|
![]() | 捨て猫と目と目が合って連れ帰る | 松原 幸子 |
![]() | 来し方の絵巻と出会う写真帖 | 渡辺 梢 |
![]() | 通り雨粋な出会いを置いてゆく | 上村 脩 |
![]() | ためらっている間に出会い逃げてゆく | 吉富 廣 |
![]() | 古寺で五百羅漢の父と会う | 江崎 紫峰 |
![]() | 時空越え父母と会う曼珠沙華 | 平 宗星 |
![]() | 妥協して出会った君と五十年 | 米島 暁子 |
![]() | ご対面十月十日を守り抜き | 斎藤 弘美 |
『めきめき』 篠﨑 紀子選 | ||
|---|---|---|
![]() | ロボットの進化ヒト科が枯れてゆく | 上村 健司 |
![]() | 温暖化地球の四季も減っていく | 大野 征子 |
![]() | ふっ切れてから才能が群を抜く | 上村 脩 |
![]() | 塾の灯が力をつける個人主義 | 西潟賢一郎 |
![]() | 真打になって一皮剥けた芸 | 廣島 英一 |
![]() | 点滴の雫へ命光りだす | 渋川 渓舟 |
![]() | 汚れ役演じ主役へかけ上がる | 上村 脩 |
![]() | 父の絵をみんな破いて子が育つ | 山口 早苗 |
『含む』 津田 暹選 | ||
|---|---|---|
![]() | 梅干しを口にニッポン人の顔 | 西潟賢一郎 |
![]() | 一強の含み笑いが止まらない | 渡辺 梢 |
![]() | トリチウム含んだ水の行きどころ | 堀井 勉 |
![]() | 昇進の祝勝会に混じるユダ | 上田 健太 |
![]() | 消費税込みで産まれて死んでいく | 山口 早苗 |
![]() | 語らざる仏像の眼にある憂い | 藤森 吟二 |
![]() | ビタミンを含む忠告ありがとう | 西潟賢一郎 |
![]() | ぼろぼろの翼で妻と子を包む | 篠﨑 紀子 |







