花久忌(平成24年5月)
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![]() | 七人の敵より恐い母である | 堀江 加代 |
![]() | 骨壺の小さな闇に母が住む | 戸田美佐緒 |
![]() | 沢庵の石にふあっと母がいる | 松田 重信 |
![]() | 母のハグみんな良い子に育て上げ | 永井 静佳 |
![]() | たんぽぽの綿毛私も母になる | 齊藤由紀子 |
![]() | 臍の緒の桐箱がある母の部屋 | 願法みつる |
![]() | 糠床に母の手形が押してある | 杉山 太郎 |
![]() | 耐えるときひとり鬼灯鳴らす母 | 増田 幸一 |
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![]() | 神頼み下げる頭が深くなる | 齊藤由紀子 |
![]() | 男坂やっと登って春迎え | 州戸行々子 |
![]() | 小企業TPPへ斜に構え | 宮内みの里 |
![]() | 大臣の茶番が民を斜視にする | 小倉 利江 |
![]() | 戸籍簿に斜線を入れて今孤独 | 上田 健太 |
![]() | 斜めから支え合っては人は生き | 古田 美雄 |
![]() | 核兵器世界平和に斜線引く | 西潟賢一郎 |
![]() | ニッポンを斜陽の国にした政治 | 亀井 洋司 |
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![]() | 悪友に会う少年の顔になる | 小倉 利江 |
![]() | 思春期の部屋は自由を謳歌する | 篠崎 紀子 |
![]() | 人知れず咲いて野の花自然体 | 小倉 利江 |
![]() | ロボットを大将にする長寿村 | 原 光生 |
![]() | 騙されていよう本音は知っている | 新井千恵子 |
![]() | 悪女など演じて今日も良い気分 | 新井千恵子 |
![]() | 野生味も知らずおねだりするゴリラ | 願法みつる |
![]() | 勝算があって道化を引き受ける | 上村 脩 |
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![]() | 普天間に紆余曲折の先がない | 河合 成近 |
![]() | 何処へどう居を移しても震源地 | 長野健八郎 |
![]() | 移り気を櫟る春のウインドー | 小倉 利江 |
![]() | 陣笠の嗅覚傘を取りかえる | 原 光生 |
![]() | パーティーで媚び売りまくる立ち泳ぎ | 中島 一甫 |
![]() | サーカスのように地下鉄乗り換える | 願法みつる |
![]() | 街の色昭和もすでにセピア色 | 亀井 哲 |
![]() | モナリザも春は額縁抜けたがる | 増田 幸一 |
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![]() | 海に線引いて牙向く国のエゴ | 野口 節子 |
![]() | 論戦を控えて隠す鬼の牙 | 大河原信昭 |
![]() | 禅譲の果て風化する木偶の牙 | 上村 脩 |
![]() | 老害を歯牙にも掛けぬ独裁者 | 上田 健太 |
![]() | 捨て石がじっと我慢の牙を研ぐ | 井上 東風 |
![]() | 愛憎の狭間で疼く糸切り歯 | 上村 脩 |
![]() | 老残の獅子は虚しき牙で吠え | 西潟賢一郎 |
![]() | 騙し絵の街に転がる鬼の牙 | 上村 脩 |