花久忌(平成31年2月)
『 橋 』 いしがみ鉄選 | ||
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木の橋の温み傷口癒やされる | 府金 節子 | |
その橋を渡ると君は犯罪者 | 伊藤三十六 | |
吊り橋の真ん中で愛たしかめる | 久保田 実 | |
この橋を渡れば逢える母がいる | 西松 忠義 | |
国民と皇室つなぐ二重橋 | 矢野 義雄 | |
良縁の橋渡しして空が澄む | 大森みち子 | |
人間の生き様照らす橋の月 | 樫村 日華 | |
ずっとずっとあなたの橋になる覚悟 | 伊藤 聖子 |
『眺める』 内田 博柳選 | ||
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窓際の目に内紛の馬鹿らしさ | 河合 成近 | |
国境の壁を眺めて笑う鳥 | 恵利 菊江 | |
家系図の尻尾眺めて寒くなる | 駒木 香苑 | |
人間を観察してる獣偏 | 佐野由利子 | |
見比べてつづらは小さい方を取る | 江畑 哲男 | |
無意識の視線迷路を見る様に | 國嶋 武 | |
米中摩擦野次馬が面白い | 江畑 哲男 | |
君の背は回転木馬追いつけぬ | 相原あやめ |
『着る』 和泉あかり選 | ||
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肩書を着ると妻にも鬚が生え | 小倉 利江 | |
着る人を選ぶ権利が欲しい服 | 内野 泰守 | |
年を経て親父の背広様になり | 權守いくを | |
長寿国時給脱いだり着たりして | 山口 早苗 | |
名刺着ると物が小さく見えてくる | 柳田 二郎 | |
一張羅出番は常にお葬式 | 矢野 義雄 | |
雪穴のビバーク新聞も着込む | 福井 勲 | |
肩書きの重ね着寒い評論家 | 渡辺 梢 |
『悠々』 佐藤 美文選 | ||
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安穏な日日で可もなく不可もなし | 角屋 教子 | |
悠々と流れる時間里帰り | 鈴木三穂子 | |
年金がある飯がある妻がいる | 芦田 鈴美 | |
アドリブをさらり共演者を救う | 福井 勲 | |
日向ボコ生命線が背伸びする | 廣島 英一 | |
身の丈を心得てから焦らない | 黒崎 和夫 | |
悠々自適土を捏ね蕎麦を捏ね | 上村 脩 | |
悠々と世界に名乗る富士の山 | 山崎 修二 |
『効く』 中島 和子選 | ||
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寸鉄の野次満場を引き締める | 大竹 洋 | |
セールスの能書き効かぬものがない | 大野 征子 | |
ブログ炎上やっとお詫びの腰を上げ | 亀井 洋司 | |
馴れ合いの会議カラシを小出しする | 荻原美和子 | |
定年後の夫に妻の誉め殺し | 小林 洋子 | |
毒饅頭威力は知っているアナタ | 相原あやめ | |
同病で塗り合えば効く傷薬 | 上野さざ音 | |
鼻薬諭吉が壁をこじ開ける | 堀井 勉 |