川柳人協会

川柳忌(平成20年9月)
『骨』   丸山 しげる選
もう一本骨をほしがる奴凧國嶋  武
骨惜しみばかりしたがる向こう脛亀井  哲
尻尾振る男で尾てい骨がずれ安藤 紀楽
ライバルに馬の骨とは言わせない相良 敬泉
骨太の法案小骨抜いてあり伊藤 祥太
骨抜きにしてザル法は穴だらけ渡辺 貞勇
居心地の悪い椅子だ尾てい骨相良 博鳳
ダッシュした昭和の骨が通じない久保田見乗

『きっちり』   太田 紀伊子選
雑巾を固く絞った細い腕川俣 秀夫
薬剤師ミリの単位の皿秤増田 幸一
加害者の方ががっちりガードされ小金沢綏子
町工場宇宙へナノの技を彫る阿部  勲
正確に描くと楕円になる地球伊藤三十六
正確に急所を突いてくる敬語渡辺 貞勇
公と私の間に引いた太い線加藤 富清
一億の黙祷へ正午の時報大木 俊秀

『油断』   河合 成近選
整形の前の写真を抜き取られ相良 敬泉
カクテルの甘さに溶ける緋の衣上田 健太
骨拾うはずだった妻先に逝き堀江 加代
我が物と思い込んでる夫婦像長野建八郎
八十才迄の保険に落とし穴中島 和子
九条の視野で見落とす核兵器大野 征子
身に余る役に鱗をはがされる小金沢綏子
気を抜くとみんな長生きしてしまう伊藤三十六

『型』   伊藤 祥太選
逸材をコーチが型に嵌め二軍平野さちを
わたくしも熟女当然うるさ型相良 敬泉
天才の打法コーチにいじられる佐藤 孔亮
大型化していく妻を持て余す加藤 富清
郷愁にかられるSLの威厳中島 和子
無礼講なのに席順変わらない廣島 英一
ニューモード着ると老人だとばれる安藤 波瑠
新型車追ったカードが破産する篠田 東星

『吠える』   荻原 美和子選
一本のペンで吠えてる投書欄米島 暁子
シャンシャンに割り込んで来る反対派川俣 秀夫
割り箸の先から森の吠える音渡辺 貞勇
居酒屋の隅で譲らぬ政治論川俣 秀夫
自殺者の遺書失政へ吠えている坂野 照明
身内から臓腑を抉る野次が飛び佐藤 孔亮
大声で脳の軽さをカバーする安藤 波瑠
無党派の歌遠吠えをハモらせる阿部  勲

協会秀句

令和6年の秀句


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