川柳人協会

可有忌(令和3年5月)
『簡単』   相原 あやめ選
判ひとつ押して他人になりました渋川 渓舟
物差しに合わせて生きている気楽田中寿々夢
沸点の低い男が逢いにくる岡村水無月
前向いて一足す一を二で生きる栁田 二郎
進歩とはこんな事かとチンをする柴垣  一
納得をしたのか指環すっと抜け安藤 紀楽
吊り橋を揺らして渡る土地の人堀井  勉
地球儀の軸にイマジン響かせるやまぐち珠美

『有能』   安藤 波瑠選
鍬を持つ耳が聞いてる土の声荻原 鹿声
三代のレシピ満たしてフライパン渡辺  梢
頭いい人だ紅白二本持つ樫村 日華
有能な人材だけが酷使され上原  稔
疑問符へなんでもドアを持つスマホ渡辺  梢
ITの勝者髄までデジタル化木戸香穂子
有能も足の向きよで地雷踏む栁田 二郎
幸せを出世以外で作り上げ川口 雅生

『写る』   島田 駱舟選
写真家の腕を褒めたい選挙用栃原 輝昭
気の弱さ写ってしまう水鏡田波 久江
せせらぎの音も写っている写真石井 和子
ウインドウショップに非日常の妻山田こいし
フクシマの苦悶を写し出す廃炉阿部 久良
知らぬ間に監視カメラの中にいる安藤 紀楽
こんな世に笑顔などないハイチーズ伊藤三十六
沖縄にまだオキナワが写り込む松田 順久

『用いる』   山口 早苗選
消しゴムを重く用いる頑固爺酒井わさ美
想像の翼へ開く紙の辞書渡辺  梢
外来もリモート使いフル稼働大矢 和子
官僚の人事利用して跳ねる大野 征子
人事課のナイフリストラにも使い西潟賢一郎
AIも駆使盤面に散る火花渋川 渓舟
天下り人事も敢えて人助け中島 和子
分度器の広がり愛のバロメータ小林 洋子

『面』   堀井  勉選
面目を果たした夜の旨い酒渋川 渓舟
マスクしか思い出せない初対面大竹  洋
素面では言えないことを酒で言う大矢  敦
絶景の位置を譲らぬ四季の富士中島 和子
張りつめた空気で.面接が長い和泉あかり
外面に徹して生きる独裁者 竹田 光柳
面接が済むと空腹疼き出す西潟賢一郎
戦うと決めた男の面構え上村  脩

協会秀句

令和6年の秀句


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