川柳人協会

川柳文化祭誌上大会(令和6年11月)
『誓う』府金 節子選
左遷地で再起を誓う苦い酒上田 健太
医者とする約束辛いことばかり岡野  清
全員が一致目標まで走る三浦  憩
明日の夢誓うと笑う鬼瓦金子 育司
球児等の涙に誓う砂袋大山 登華
言葉より握り返した手が誓う渋川 渓舟
ドームからノーモア誓う鶴の群れ三浦 武也
リベンジを期す大敗のその日から江畑 哲男 

『造る』名雪 凛々選
ずんだ餅母が生きてるうち造る大山 登華
Uターン待つ手造りの味噌醤油喜多村正儀
口角を上げてスマイル造る朝小林 洋子
百態の風が造った顔の皺穐山 常男
平和への祈りが造る虹の橋森 沙恵子
造花には与えられない散る権利佐々木えつこ
二人して造る余生の設計図森   昇
戦争も平和も見てる造船所齋藤 光子

『丁寧』織田 順子選
じっくりと地球を焦がす温暖化山田 初男
克明に今日の幕引く日記帳藏田 正章
体温がないAIの丁寧語江畑 哲男
なむなむと佛間が温いもみじの手近藤 君江
丁寧な議論が欲しい核装備南川 哲夫
国宝を白手袋が捧げ持つ矢澤 俊美
丁寧に生きて百歳笑顔咲き篠原 ゆみ
丁寧に語り伝える被爆国白井 靖孝

『解く』相良 敬泉選
わだかまり少しほどけた嫁しゅうと宇津野初子
緊張がほぐれポロリと出る本音五月女曉星
骨密度を溜めてわだかまりを解く市村 禎雲
和解する人の知恵ある思いやり遠藤 渓流
背信の蛇スルスルと帯を解く勝部 耀子
算額の1問解くに日を潰す榎本 裕子
緊張をほぐす天然ボケが好き田村 恵滋
百本の薔薇にガードを暖められ上野さざ音

『泣く』駒木 香苑選
少子化に国の未来が泣けてくる南川 哲夫
泣きに来た里に弱音を叱られる藏田 正章
泣き言を言っても下がらない物価江畑 哲男
優しさに泣ける心は枯れてない齊藤由紀子
泣き叫ぶ気力も失せて飢餓の国中川めぐむ
理不尽な戦に弱音泣くばかり中島 通夫
歳時記が異常気象に泣かされる白子しげる
被災地を抜ける夜風も泣いている平蔵  柊

『握る』安藤 波瑠選
妻よ手を離すな闇が深くなる田中 良積
さよならと握った手だが離せない川畑 博則
温暖化再生エネがカギ握る中村 恵雄
オモチャにも凶器にもなる人事権佐藤よしき
結局は核が握っている帰趨江畑 哲男
政権を握り健忘症になる三上 武彦
翔びたがるママを放さぬもみじの手奥村 吉風
八月を握ったままで存える前田ゆうこ

『温い』田中 寿々夢選
温いときばかりではない母の胸佐藤よしき
絵手紙に添えた一句が温かい山田 初男
あたたかい夕餉と家族待つ灯り伊東 マコ
遍路道人の温もり茶で伝え載 けいこ
子供食堂人もスープも温かい平蔵  柊
愛が冷めコーヒーだけがあたたかい江崎 紫峰
亡き母の温もり抱いて生きている藤田 俊彦
沐浴へふんわり伸びる新生児北川 公子

協会秀句

令和7年の秀句


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