川柳人協会

可有忌(令和7年5月)
『後手』渋川 渓舟選
告白を躊躇い愛が冷めてくる大矢 和子
石橋を叩き守勢に立たされる上村  脩
後手の策先手の視野を迷わせる國嶋  武
裕裕閑閑先手は争わず芦田 鈴美
後手となり秘策を試すチャンス待つ髙橋みっちょ
咲き惜しみ時代遅れの人生譜相良 博鳳
晩学へ後手を踏むのは恥でなし五十嵐淳隆
ライバルの後手に回って爪を研ぐ木俣 邦捷

『利用』荻原 鹿声選
わたくしも使って欲しい二千円石川二三男
幼児期の脳へイソップ刷り込ませ上野さざ音
最寄り駅どれも遠いが三つある加藤ゆみ子
雑談の小耳思わぬ役に立つ平蔵  柊
AIにトップの椅子はゆずれない米島 暁子
チョコ一枚上げて笑顔を買いました小暮 風六
生きた嘘上手に染めて来るライン金子 風六
溺愛のペットにやがて使われる中島 和子

『読む』白子 しげる選
AIと前頭葉の一騎打ち小林 洋子
読み終えて鱗がひとつ落ちました小林きらら
平凡をごく「しあわせ」と読み替える市村 禎雲
一冊の本が理念を変えに来る谷村 修平
てにをは変え読み直すザンゲ録上村  脩
顔色を読むボスの地雷を踏まぬよう上村ひろし
突き当たる壁がある度座右の書三上 武彦
気紛れなディールの先を読む市場独活乃枯朴

『浮く』相原 あやめ選
町内のカラオケで浮くベルカント安藤 波瑠
難民の暮らし浮輪が届かない平蔵  柊
鰓呼吸都会の空が低すぎる安藤 紀楽 
美しく浮かぶ私を捨てた人永井 天睛
浮き彫りにされた過去から脱皮する相良 敬泉
綿雲と昨日の罪とあすの夢荻原 鹿声
かごめの輪中で浮いてるモンスター小林きらら
絵に描いた自叙伝もまた浮いている相良 博鳳

『謙虚』上田 健太選
苦労人らしい握手が温かい三上 武彦
ポケットの中の私が咳をする山口 早苗
心なく勇退という美学踏む大野 征子
謙虚さにと諫めてハラスメントの矢芦田 鈴美
謙虚さも握る野心家の右手相原あやめ
生きてゆく汗を明日の糧にする和泉あかり
ポテトだけつまむ外様の紙コップ山口 早苗
太陽を知ってる月は威張らない安藤 波瑠

協会秀句

令和7年の秀句


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