川柳人協会

川柳忌(令和5年9月)
『越す』   増田 幸一選
山越えて飛ぶ風船の自由律佐野由利子
境界を越えた大樹が書くドラマ黒崎 和夫
いとし子よ越すに越されぬ拉致の壁中之瀬きみ
収入を越えたカードで描く地獄竹田 光柳
九条を越えてしまった軍事力白取ひでお
難題を越えて男の貌になる竹田 光柳
体温はとうに越えてる青い星原 加代子
不確かな壁を越えねばならぬ今森 沙恵子

『概略』   加藤 佳子選
深読みはせず協賛を受け入れる竹田 光柳 
こじつけの先手攻撃論を出す百姓 一揆
血の通う義理人情で生きている太田紀伊子
子の差立ちアウトラインは親が引き今村 龍助
まえがきとあとがきだけの人生譜増田 幸一
概略を揺すれば少し濁ります土居 新山
あらましを聞いた噂は生臭い松尾 信彦
要約をすればみんながピン・コロリ山口 早苗

『ライト』   三上 信彦選
ペンライト振って女は羽化をする小畑 犀川
投手からライトへ回る甲子園加藤  晃
太陽を食べてプリズム光り出す新井千恵子
ライトアップ工場群は超クール奥村 吉風
スポットが勝者の汗を光らせる渋川 渓舟
ご贔屓へ揺れる熟女のペンライト上村  脩
結局は妻という名に辿り着く穐山 常男
履歴書の隅にポツンとある光荻原 鹿声

『示す』   黒崎 和夫選
主流派に一人異色の人事案いしがみ鉄
内心はノーだと判を曲げて押し安藤 紀楽
自己紹介肩書一つ追加する渡辺  梢
ブランドの服裏までも見せたがり大野 征子
棄権などしない白票出しにいく安藤 紀楽
断捨離へ人形たちの怖い顔渡辺  梢
末席の意見図星を突いてくる渋川 渓舟
壊れてもあの日を指している時計三上 武彦

『養う』   太田 紀伊子選
拙いが母の手紙の花あかり森 沙恵子
親切に育てた胡瓜反り返り新井千恵子
糠床を混ぜる母の手真似ながら芦田 鈴美
養父母の恩と実父母への恨み三上 武彦
子沢山育てた母の針と糸栃原 輝昭
益軒に養生訓という極意上田 健太
食糧の危機へ昆虫食も視野 安藤 紀楽
溺愛のペットを王様に育て中島 和子

協会秀句

令和6年の秀句


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