川柳文化祭誌上大会(平成30年)
『 点 』 宮本彩太郎選 | ||
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![]() | 着地点決めて理由が追いかける | 野平光太郎 |
![]() | 点睛を欠いていそうなピカソの絵 | 高塚 英雄 |
![]() | 一点の隙も見せない未熟者 | 宮川 令次 |
![]() | 人生も平均点でまあいいか | 眞宅駒っ太 |
![]() | 人影が点になるまで送る母 | 青鹿 一秋 |
![]() | 満点のヒト科は神を創らない | 中西 隆雄 |
![]() | 農を継ぐ本気が鍬に点火する | 岡 さくら |
![]() | 欠点の癖球魔球へと磨き | 及川竜太郎 |
『 時 』 安藤 波瑠選 | ||
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![]() | 戦時下を生きて頷く平和論 | 北川キミ代 |
![]() | 悲しみの時間止まってしみとなる | 角谷 教子 |
![]() | 植毛もエステも時空埋められず | 根岸 ムベ |
![]() | 新版に時代が浮かぶ広辞苑 | 織田 順子 |
![]() | 時間ない時が一番頑張れる | 三浦 武也 |
![]() | 目に見えぬ時を振り子で見てしまい | 長野建八郎 |
![]() | 人類の残り時間を核が持つ | 平井 義雄 |
![]() | 始まりも終りも謎の時を生き | 後藤 育弘 |
『流す』 四分一周平選 | ||
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![]() | 背を流すように故郷の墓洗う | 安藤 紀楽 |
![]() | わだかまり流して空の青を知る | 平瀬 芙蓉 |
![]() | 涙にも色取りどりの親不孝 | 栁田 二郎 |
![]() | 滑舌の流れが悪い午前様 | 長谷川庄二郎 |
![]() | ビル街の人の流れに唄がない | 西潟賢一郎 |
![]() | 復興へ無償の汗が駆け付ける | 宮内みの里 |
![]() | 思い出も夢も無にする土石流 | 中西 隆雄 |
![]() | 添加物増やして流れつく噂 | 渡辺 梢 |
『滲む』 岩田 明子選 | ||
|---|---|---|
![]() | 詫び状へ涙も混じる墨の色 | 渡辺 梢 |
![]() | お別れの手紙インクが乾かない | 山本あかね |
![]() | 根の深い悲しみ乾く事がない | 佐瀬 貴子 |
![]() | 花束へ仕事の鬼の目に涙 | 織田 順子 |
![]() | 覆っても覆ってもまだ放射能 | 平井 義雄 |
![]() | 判決に遺族無念を隠さない | 徳田 正幸 |
![]() | 誰よりも苦労の汗を知るタオル | 三浦 一見 |
![]() | 平和しみじみ八月の鶴を折る | 齊藤由紀子 |
『拭う』 江畑 哲男選 | ||
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![]() | 便器拭く帝王学の第一歩 | 三上 武彦 |
![]() | 言い過ぎた口にはパンを放り込む | 瀬戸れい子 |
![]() | 拭って拭って私でなくなった | 真島美智子 |
![]() | 成るまでの汗とタオルに言い聞かす | 佐瀬 貴子 |
![]() | 寝たきりを拭くせめてもの恩返し | 織田 順子 |
![]() | グーグルに残る払拭したい過去 | 毛利 由美 |
![]() | バックミラーを拭うと君がよく見える | 中原たかお |
![]() | イクメンのまだ不器用なバスタオル | 齊藤由紀子 |
『 熱 』荻原 亜杏選 | ||
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![]() | 列島に少年点火将棋熱 | 大川 光一 |
![]() | 冬のため取って置きたいこの酷暑 | 児玉たかお |
![]() | 野良猫の熱い視線が振り切れず | 渡邊 幸子 |
![]() | 灼熱に魂込めて刀鍛冶 | 國貞 雅嗣 |
![]() | 熱中症こわい時代になってきた | 覧のぶなが |
![]() | 高熱を出して地球が病んでいる | 織田 順子 |
![]() | 熱帯化神の試練に底が無い | 栁田 二郎 |
![]() | 田も畑も消えてようやく熱が冷め | 篠田 東星 |
『覗く』 二宮 茂男選 | ||
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![]() | 出番待つ高まる胸で舞台袖 | 倉永みちよ |
![]() | 内視鏡戦士の過去を暴き出す | 樫村 日華 |
![]() | 大接近地球を覗く火星人 | 平蔵 柊 |
![]() | 目を覗くあなたをもっと知りたくて | 佐瀬 貴子 |
![]() | 衛星に裸にされる軍事基地 | 﨑山 敏子 |
![]() | うちのこと何でも知っている隣 | 竹中たかを |
![]() | グーグルがドンのはらわたまで覗く | 織田 和子 |
![]() | ずかずかと入る守秘義務ないネット | 宮内みの里 |







