川柳文化祭1部(令和2年11月)
『訪れる』 白子しげる 選 | ||
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![]() | 児相訪問虐待の闇に触れ | 中島 和子 |
![]() | GoToへ乗るウイルスの薄笑い | 島田 駱舟 |
![]() | 無味無臭無色でコロナ訪れる | 願法みつる |
![]() | ヒトが来てうるさくなった一軒家 | 五十嵐淳隆 |
![]() | 新聖地今日も鬼滅のファンで混み | 安藤 紀楽 |
![]() | ニュータウン訪ねる人も無く無口 | 安西 健次 |
![]() | 延ばされた春ようやくに祝い膳 | 洲戸行々子 |
![]() | 不器用な嘘を置いてく見舞客. | 江畑 哲男 |
『書く』 上田 健太 選 | ||
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![]() | 保険屋が書き込む空欄の油断 | 中島 和子 |
![]() | 畏まる筆をなだめて急く揮毫 | 新谷みのり |
![]() | 異議ありと書く鉛筆は尖らせる | 相原あやめ |
![]() | 一を書く筆の先から春の音 | 新井千恵子 |
![]() | 万感の恩愛水茎へ込めて | 及川竜太郎 |
![]() | 署名しただけで人格までも消え | 竹田 光柳 |
![]() | 無人駅風はドラマを書きたがる | 山口 早苗 |
![]() | にんげんの命と綴る反戦記 | 上村 脩 |
『岸』 佐藤 孔亮 選 | ||
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![]() | 命の岸行ったり来たりするカルテ | 伊藤嘉枝子 |
![]() | 難民の死体が流れ着く岸辺 | 落合 正子 |
![]() | 文明のゴミが岸辺に鎮座する | 和泉あかり |
![]() | 彼岸までおんなは嘘をつき通す | 伊藤嘉枝子 |
![]() | 湾岸の石油は自然発火する | 栃原 輝昭 |
![]() | 引く波に思いを込める鎮魂歌 | 平蔵 柊 |
![]() | 拉致家族まだ岸壁の母がいる | 増田 幸一 |
![]() | 璃岸流でした私の恋終わる | 齊藤由紀子 |
『組む』 金子美和子 選 | ||
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![]() | 正座からあぐらになって場が和み | 峯岸 照海 |
![]() | 雑魚だってスクラム組めば強くなる | 近江あきら |
![]() | 手をつなぎデコボコ道を半世紀 | 野口 英子 |
![]() | 許された余生は四季の花と組み | 和泉あかり |
![]() | 駆け落ちも辞さぬ二人に親も折れ | 三上 武彦 |
![]() | 味噌醤油貸し借りあった隣組 | 田中 紗京 |
![]() | しなやかな語尾で鬼とも手を結ぶ | 荻原美和子 |
![]() | 土と組む自然の慈悲に見守られ | 三田地輝憶 |
『芸』 國嶋 武選 | ||
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![]() | 芸道の父超えてゆく梨園の子 | 三田地輝憶 |
![]() | 赤貧に耐え磨かれる芸の道 | 小池 主計 |
![]() | 胸張ってメッキの鱗光らせる | 近江あきら |
![]() | 四歳で歌舞伎背負って見得を切る | 林 俊雄 |
![]() | 一芸を極めた人にある深み | 大矢 敦 |
![]() | 舞いすがた腰のすわりに出る年季 | 佐藤れい子 |
![]() | 派手すぎる芸へ満腹感がない | 芦田 鈴美 |
![]() | 遺伝子が三味の音色にはしゃぎ出す | 奥山 みつ |
『快い』 米島 暁子 | ||
|---|---|---|
![]() | 楽しげな会話母娘の服選び | 大野 征子 |
![]() | 花園の蝶の気分の酒二合 | 佐藤れい子 |
![]() | ホンモノの孫の手に酔うマッサージ | 江畑 哲男 |
![]() | 退院の祝いの如く虹が立ち | 權守いくを |
![]() | 何でも快諾便利に使われる | 八木せいじ |
![]() | 趣味の道充実感を連れてくる | 永井 静佳 |
![]() | 故郷が好き俎板の音水の音 | 山口 早苗 |
![]() | 追う風に乗ると行進曲が鳴る | 近江あきら |
『探す』 佐藤 美文選 | ||
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![]() | 消去法ばかりガラスの靴が無い | 齊藤由紀子 |
![]() | 青い鳥探し迷路に迷い込み | 渋川 渓舟 |
![]() | 雑談の中で本音を探知する | 新井千恵子 |
![]() | 青春に落とした夢を探す旅 | 上原 稔 |
![]() | 生き甲斐が落ちていそうな回り道 | 福井 勲 |
![]() | 探求心いつでも持っている若さ | いしがみ鉄 |
![]() | 少年の探求心が生む未来 | 上村 脩 |
![]() | お互いのハートに青い鳥見つけ | 南川 哲夫 |
『式』 西潟 賢一郎選 | ||
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![]() | 式服を着ると年金逃げてゆく | 野口 英子 |
![]() | 出来ちゃった婚です省く式次第 | 大野 征子 |
![]() | 折半の挙式時代を受け止める | 中島 和子 |
![]() | 生きざまの方程式は汗で解く | 近江あきら |
![]() | 旧式の脳が横文字拒絶する | 八木せいじ |
![]() | 人間を選る等式と不等式 | 上村 脩 |
![]() | 人生は加減乗除の繰り返し | 水野 俊徳 |
![]() | 数式が動くあなたはもう居ない | 山口 早苗 |







