川柳人協会

川柳文化祭誌上大会(令和3年11月)
『略』   大野 征子 選
省略をするとわたしが居なくなる米島 暁子
断捨離をしてから知った不眠症佐藤寿見子
言霊という品格を消す略語平井 義雄
逆転の策略捨て石に刻む平井 翔子
戦略があって小指の爪伸ばす真島久美子
略歴をつつけば剥げる厚化粧八木五十八
終章へ略図を辿る生き急ぎ上村  脩
究極の略式だろう握りめし平蔵  柊

『ルート』   織田 順子 選
感染のルートはもはや闇の中谷口 修平
廃水のルート新たな疑惑呼び水野 俊徳
認め合うプロセスだったあの喧嘩 増田 ちか
旧道に来れば根性論に遭う樫村 日華
お遍路の道に懺悔の鈴が鳴り渋川 渓舟
バイパスが町の背中を見て通り篠田 東星
無理数も入れて平和の鍵を解く中川 晴海
熟慮して決めたルートは迷わない三浦 武也

『歴史』   木崎 栄昇 選
悠久の平和見つめてきた埴輪上村  脩
先祖の地私はここを離れない片野 晃一
歴史から学ぶヒト科の愚挙愚行五十嵐淳隆
竹槍の歴史を遠くする平和上田 健太
後悔のタラレバ抱いている歴史江畑 哲男
カタカナで書く福島にある歴史芦田 鈴美
卑弥呼から私へたどり着く山河真島美智子
自分史の最終章に朱を入れる高橋  充

『論』   井上 京一郎 選
激論の果てに翔び立つ鳥となる荻原 鹿声
風媒花根性論を覆す真島久美子
正論を吐いてあなたは四角形古賀由美子
吊り革に聞くと世論も揺れている五十嵐淳隆
曲論を拡散させる愉快犯岩田 康子
無神論者も祈りたい時がある加藤ゆみ子
論客が集う新聞読者欄柴田 睦郎
座布団に父の論語が置いてある山口 享栄

『解る』   府金 節子 選
誤解とけ流した水は濁らない岩田 明美
腹の底割って絆の緒が堅い木下 種子
注ぎ合えばそのままでいい杭の位置篠田 東星
裏事情知った言葉が柔らかい樫村 日華
頂点に座って知った風当たり宮本彩太郎
譲歩した和解の酒がほろ苦い上田 健太
納得のいくまで芯を尖らせる岩田 康子
異文化に触れて日本の良さを知る中尾 憲子

『洗う』   津田  暹 選
まっさらに戻りなさいと雨が降るもりともみち
人間を洗うと甘くなってゆく芝岡かんえもん
洗脳が過ぎ人間に影がない上村  脩
ま緑になろう森林浴に行く荻原 鹿声
8・15日本の魂を洗う山崎 修二
洗礼と懺悔が積んであるチャーチ宮本彩太郎
ニンゲンを洗い続けている真水山口 享栄
古里が私のコインランドリー加藤ゆみ子

『絆』   齊藤 由紀子 選
なにごとも笑えと粋な処方箋宮本 政夫
サプライズ祖母に届いた赤いバラ栗林むつみ
高齢へ返事無用がありがたい渡辺  梢
絶妙な笑顔素直にさせられる新井千恵子
人に花持たせる人の日向ぼこ熊田 松雄
カラフルな義足個性を光らせる宮内みの里
あの頃は粋がってたな古日記小松崎倶江
花鳥風月わたしは月として生きる佐藤寿見子

協会秀句

令和6年の秀句


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